こんにちは!ジャパンウエストラインの西山涼太です。コーヒータイムに、ネットワーク設計で意外と見落としがちな「見えない単一障害点(SPOF)」のお話でもいかがでしょうか?物理的に冗長に見えていても、論理的に一本道になっていると、思わぬところで全停電のリスクを抱えてしまいがちです。
「二重化」の罠:HSRP/VRRPの落とし穴
スイッチをペアにし、HSRP(またはVRRP)でゲートウェイの冗長化を組んだとします。一見完璧なように見えますが、ここで一つ確認してほしいのが「管理系」の接続です。もし2台のスイッチが、同じ上位スイッチの同じポート、あるいは同じ配線ラックの同じスロットにつながっていたらどうなるでしょうか?上位側や配線ラック自体がダウンすると、下段の冗長化が意味をなさず、両系まとめて通信不能に陥ってしまいます。
論理的なSPOF:DNSとDHCPの単一化
ハードウェアだけでなく、ソフトウェア的な依存関係も注意が必要です。例えば、社内システムでDNSサーバーを1台だけ配置している場合、そのサーバーがダウンすると、IPアドレスが通っていてもドメイン名が解決できず、結果的に「ネットワークが使えない」状態になります。同様に、DHCPサーバーも単一化していると、リース切れ時に新規接続が失敗する原因になります。これらは物理的な冗長化とは別軸で、論理的なバックアップや分散構成を検討する必要があります。
設計書と実際のズレを検証する方法
では、具体的にどう防ぐか? それは「切断シミュレーション」の視点を持つことです。設計書に「冗長構成」と書いてあっても、実際の配線図や設定ファイルを紐解き、物理的に異なる経路を通っているか、論理的に独立した電源や管理インターフェースを持っているかをチェックします。特にクラウド環境では、AZ(アベイラビリティゾーン)を跨ぐ設定が正しいか、サブネットのルートテーブルが適切に分散されているかを意識すると、見落としが減ります。
HSRPの用語解説:HSRPはHot Standby Router Protocolの略で、Cisco規格に端を発する冗長化プロトコルです。VRRPはよりオープンな標準規格ですが、基本的な動作原理は似ています。
ネットワーク構築は、見えている部分だけでなく、見えない依存関係まで見渡すことが大切ですね。今日は少しだけ慎重に、配線や設定を見直してみる時間を作ってみてはいかがでしょうか?